計画概要 |
![]() 本計画は、リファイン建築の第一人者である青木茂氏(株式会社青木茂建築工房)に設計監理業務を委託。用途変更、面積の増減無しに住戸間の壁位置を変えることで、総住戸数(30戸)を維持し、既存不適格の老朽化した建物の再生を図った計画である。設備配管の一新、機器類を現代の賃貸ニーズにあったものに全て更新する他、共用エントランス位置を変更し、オートロック設備を設けることで、セキュリティーにも配慮し新築と変わらない機能を付備した。 外観は既存タイル貼からガルバリウム鋼板・折板貼へ素材を変えるとともに格子状に凹凸をもたせることでリズムを加え斬新なデザインを構成している。 |
リファイン建築の第一人者“青木 茂氏”による
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今までのリファインは既存建物と同規模の増築があり新築と比較する場合増築のCO2排出量および廃棄物排出量は新築と同じなので比較対象とはなりにくかった。しかし本計画は増築が無いのでリファインと新築の比較が純粋にできた。結果、既存建物を全て解体して、同規模の建物を新築した場合に比べて、廃棄物排出量(体積)は44%、CO2排出量は17%(約1/6)となり環境評価として良い答えが得られたと思う。 |
単なる内外装改修工事ではなく、環境・安全・デザイン・ユーザビリティにもこだわったプロジェクト |
建替えと比較し、大幅な建築費の抑制が可能となった他、CO2排出量・廃棄物排出量を削減することができ、環境面に配慮した再生事業への取り組みにより、社会的貢献による企業認知度の向上がみられた。 また、今回のプロジェクトは、1.単なる内外装改修工事ではなく、安全性を考慮した耐震補強、斬新且つ大胆な外観デザインを採用した 2.和室中心だった間取を、現代の生活スタイルやニーズにあった平面計画に変更し、ユーザーの評価を得た 3.スクラップアンドビルドではなく、環境への影響を配慮した手法で、CO2及び廃棄物の排出量を削減した点で、当社としては初めての試みではあったが、完成後2ケ月で満室となったこともかんがみると、社会的意識もさることながら事業としても成功したプロジェクトであった。 |